りんごやハートでお馴染みのGraziela (グラジエラ)。当店でも入荷のたびにすぐに完売してしまうほど、大変人気のブランドです。
今日はそのグラジエラについてお話したいと思います。
グラジエラとは?
ドイツのハノーヴァー出身のイラストレーター&グラフィックデザイナーGraziela Preiser (グラジエラ・プライザー)による、カラフルで印象的をモットーにしたモチーフで知られる70年代のテキスタイルデザイン。
ライフスタイル誌Brigitte(ブリジット)によりその名が世界に知られることとなりました。
元気いっぱいの色彩と世代を超えた明確な彼女のグラフィックは70年代に絶大な人気を誇り、グラジエラと言えばあのデザイン!と誰もが浮かべるほどに。
グラジエラの活躍は生地だけにとどまらず、ベッドリネンやパジャマ、カーテンやテーブルウェアなど幅広い分野にわたって展開しました。
70年代ドイツのどの家庭にも必ずグラジエラの商品があり、当時の子どもたちはみんな彼女のデザインと共に育ったと言っても過言ではないほど一世を風靡。
時代を超えても色あせないそのデザインは、80年代初期に製造中止となった以降もずっと愛され続けてきました。
品質にもこだわったグラジエラの生地は、40年の時を経た現在においても新品と変わりない丈夫さ。
これもまた長く愛用される秘訣と言えそうです。
デザイン
70年代を過ごした世代にとって、懐かしい子供時代を思い出させるのがグラジエラ得意のキッズ柄。
ABCや1,2,3 、機関車など子どもの遊び心をくすぐる可愛いモチーフたちです。
ストーリー性を持たせたものも多く、子どもたちはイラストの中から何かを見つけ大人とそれについて語り合うといった触れ合いの機会でもありました。
グラジエラは幼少期に、画家であり同じくグラフィックデザイナーであった父親と一緒に動物などの絵本を作って遊んでいたといいます。
そういった記憶も彼女のデザインに反映されているのでしょう。
子の世代が親になりそしてまた子へと受け継がれる、その普遍性こそがグラジエラ最大の魅力なのかも知れません。
グラジエラを代表するデザインの筆頭と言えばリンゴ。
ぷっくりとしたフォルムが愛おしい、グラジエラが大人向けに発表した大人気のモチーフ。
このデザイン単体でなんと長さにして2万km(!!)もの生地が売れたのだとか。近年行われたグラジエラ公認のファン投票でも一位に選ばれたそうです。
オレンジや赤などの元気色からシックなモノトーンまでカラーバリエーションも豊富。
基本的に2色使いです。
ハートの中にハートを埋め込んだものもポピュラーな大人向けデザイン。
「大人のカワイイ」がたっぷり詰め込まれています。
グラジエラはどんなモチーフにも愛を込めたデザインを心がけ、さまざまなモチーフにハートを組み込みました。
こんなところにもハートが!!と心踊ります。
カラフルでキュートなモチーフだけでなく、意外にもこんなおとなっぽいシックな花模様もあります。
70年代に子ども時代を過ごした世代にとって、グラジエラのデザインはカラフルな記憶を呼び戻すものであり、また当時の親世代にとっては子育て期に思いを馳せるきっかけになるもの。
ハートやリンゴ柄の愛用者にとっては古き良きセブンティーズをリアルに彷彿させる、ノスタルジアそのものなのです。
また古さを感じさせないポップでビビッドなグラジエラのレトロモチーフは、思い入れの有無にかかわらず、今なお多くの人々の心を捉えて離しません。
グラジエラその後
1980年代に幕を閉じたグラジエラですが昨今のリバイバルブームもあり、2008年にbyGrazielaとして復活を遂げます。
娘のニーナさんと共に再出発しました。
グラフィックデザイナーであるニーナさんは周囲の出産ブームの際、母グラジエラさんが成し遂げた偉業に改めて感銘を受けたそうです。
そしてグラジエラのカラフルなレトロモチーフを現代に届けたいという思いでリローンチに至りました。
ドイツの都市ハンブルクに小さな店舗があるようです。
Frau VintageではbyGrazielaによる再発商品ではなく、70年代のオリジナルヴィンテージ商品を取り扱っています。
人気のアップルやハート、キッズ柄のほかにもレアな掘り出し物などさまざまなアイテムを紹介していきますので、サイトをお見逃しなく!!